だらり。

のんびりゲームやってます

BANANA FISHはハッピーエンドだったのか?

2019年5月、社会人になってからは一切アニメも観なくなり、完全なるソシャゲオタクと化していた私。これではオタクと言えるのか、アニメを観た方がいいのではないか・・・となぜかよく分からない使命感に駆られて、大好きな作品であるFree!の監督が監督されたと記憶に残っていたBANANAFISHを観ようとね、思ったわけです。これが深い沼…いや、闇でした。闇に引きずり込まれたという感覚が一番近い。


※この記事には物語の結末に触れていますのでご注意ください...





アニメ観る前にざっとあらすじと結末を読んだんですよ。好みじゃなかったら観る時間がもったいないなと思うのでいつも先に話を調べるのですが・・・
アメリカが舞台で主人公がアメリカ人なんですよね。ストリート・ギャングのボスであるアッシュ・リンクス。
そこに取材の同行で来た英二と出会って、ある薬物を追う2年間行動を共にするうちに、魂の片割れと呼べるほどの絆を育むというストーリーですかね。
約30年前の少女漫画なんですよね、なんと。私は中高とベッコミ信者だったので、BANANAFISHもベッコミだったのか~と感慨深かったです。
ずっと読んでいた月刊誌だったので。少女漫画としては珍しいと思われるヒロイン不在。むしろ少女漫画というジャンルで括っていいものなのかどうか・・・大作すぎて・・・


漫画はあまり買わない派なのでまだ買っていません。ANOTHER STORYもいつか買おうと思いつつ、なんとなく踏み切れず買っていません…だって読んだら終わっちゃうじゃないですか。アッシュ死んじゃってるし。で、いま9話まで観たんですよ。ちょうどショーターを撃ったところですかね。いやあ、重い・・・ずもおおおおおん…という感情ですよね。

ゴルツィネの処刑場でバナナフィッシュを打たれたショーターが天使の像を見て一瞑正気を取り戻すじゃないですか、
それでアッシュに56してくれ、苦しい、と救いを求めるわけなんですけども。
あれ、最初観たときしばらくなんで天使を見て正気に・・・?そんな信心深かったの?と疑問だったのですが、ANGEL EYESのドラマCDを聴いて納得しました。
アッシュが天使のクリスマスカードに似ていたんですね・・・・これ、分かったとき涙止まりませんでした。あと繋がれていたアッシュがどうやって銃で撃ったのか不思議だったんですけど、オーサーが操作して一瞬解除したんですね。どちらかを撃たせるために...

いやーゲス野郎というかこんな人間いんのか?というか(フィクションですけど)

ゴルツィネはアッシュのこと好きだとかワシのもんじゃとか言ってるけど永遠にアッシュのことを理解できるわけないだろとかね、思うわけですよ、アッシュとオーサーを氷と炎とか言ってましたけど、どう見てもアッシュ炎でしょ....あんな熱い男いないでしょ・・・

アニメしか観ていないのであんま語る資格ないかなとも思うんですけど、9話でなんでアッシュは親友を苦しみながらも撃ったのかですよね。グリフを見てきたから仮に生き永らえたとしても廃人、一生幻覚に悩まされる人生から本人の希望もあり救ったとも見えますし、英二を救ったとも見えるなと。アニメだけ観てると、9話時点ではどうもアッシュと英二の絆みたいなのが感じられなくて・・・
なんでアッシュそんなに気を許したんだろうと若干疑問なんですよね。
ドースン宅で月龍が背後から近づいたのには素早く反応したのに英二が後ろから近づいても自然に受け入れてたじゃないですか。

もちろんアニメに描写されていない期間でそりゃ絆を育んでいるとは思いますけどね!スキップとアッシュと壁で行き止まりって時に水道管で壁を飛び越えた描写、感想とか見ていると原作じゃ一瞬なのにアニメでは丁寧に描かれていたとあって、これをきっかけにってことなのかなあと思ったり思わなかったり。
そもそも壁飛び越えたことで二人のこと助けられたんですっけ・・・アッシュは助けてくれたじゃないかってその後も何度か言っていましたけど、英二くん警察官の前で気を失ってませんでしたか・・・?理解力が全然足りていないだけかも..

そもそもこの話って誰を救済して何を伝えたい物語なんだろう・・・と・・
結末や展開を知っているばかりに、進めるごとに呼吸困難になってくるんですよね。
もう辛い展開にしかならないってわかっているので。
9話から10話に進めるとき、あまりに心臓に負荷がかかるので一時間くらい寝込みました。本当に。
なんでこんな思いをして観てるんだろう...と何回も思いましたが、それでも最後まで見届けたいんですよね。

ラストのことを考えると、アッシュの「生き延びてやる」やら「ころされるのは得策ではない」のような発言も涙しか出ません。
自由を求めた先に果たして何があったのか?
危険を承知でアッシュの傍にいることを選んだ英二と、弱点と知りながらも手を離さなかったアッシュ。
オーサーとの決着の夜、英二を日本に帰そうとしましたね。本当に帰すつもりだったのでしょう。
でも伊部さんも察していたように、英二はコニーアイランドヘ向かった。
そうせずにいられなかったということですかね。
正直英二ここ来た意味あったか?とかなんで名前呼んだの?とか色々思うわけなんですけども、アッシュにとってはそれでよかったんですよね。

俺はお前に見られていられたくない!のセリフですが、人ごろしは俺一人で充分だ、とか
アッシュの発言からするとこれ以上罪を重ねる自分を嫌いになってほしくない・・・ということなんでしょうか。
いや、親友を苦しみながら手にかけてしまったことで、もう今度こそ気が狂いそうだったということでしょうか。
英二の手を汚すわけにはいかないという気持ちも痛いほど伝わってきます。
英二のためでもあり、これはアッシュのためでもあったのかも。
自由と無垢の象徴である英二にはそのままで居て欲しかった、そんな英二に傍にいてほしかったということなんですか…罪の意識…は今さら感じているのかどうかですが、さすがに自分にとって今まで手にかけてきた名もなき命とは違って特別な命だったわけなので…ううん。
言葉にできない。考えても分からない。
闘いがこれから過酷化することを分かっていて・・・なんというかもう、残酷ですよね。
胸が痛い。
ショーターが解剖されているのを目にしたあとドースンを処刑しますが、そのあと奴らの手にショーターが永遠に渡らないようにするじゃないですか。でも国立衛生センターに運ばれてしまうと、ショーターの脳が使われていることを知り、怒り狂う…ってもうなんて残酷な・・・そりゃ怒りなんてもんじゃないし、100度ころしてもまだ足りないよね。
なんでなんですかね。もうどうすればいいか分かりません。

オーサーとの決着も、サシの勝負と取り決めていたのに電車を使うという卑怯な真似をしたオーサーに対して、銃で終わりにせずきちんと決着をつける・・・まずあそこで列車に飛び乗る苛烈さですよね。30人も敵がいるのに乗り込みますか?


今度こそ死ぬかもしれないと本人が思っていたように、かなり危険な状況だったにも関わらず英二をわざと突き放して一人で向かう・・・
まとまらない。言葉にできないですよ。

オーサーが仲間を呼んでいる時点でもう決着ついてますよね。
敵わないと思ってるからこそ数で勝負するんですから。しかも列車でオーサー以外始末した後、オーサーが投降のポーズをしたときにあそこで撃とうと思えば撃てたわけじゃないですか。
それを拒否してナイフで勝負ですよ?ケリをつけようという魂の高潔さじゃないですか?
できないですよ。できない。

まだここまで書いた時点で11話とかなので本当何もかも怖くて、ホラーゲームやる人ってこんな気持ちなのか?とかよく分からないことを考えたりして、
アニメを観るときにこんな気持ちになったことなかったんですよ。本来ならもっと頭を空にして観れるお気楽でゴキゲンな話が好きなので。死ネタとか地雷なんです。
でもBANANA FISHはあらすじを読んだときからもう惹かれずにはいられなくて、なんだろう、人間の汚さとか抱える孤独とか、救いを求める心だとか、そういうのが一気に突き刺さったんですかね。

この話はアッシュが救われる話なんだと思います。
アニメしか観ていない人間ですが、英二とアッシュというよりはアッシュ一人に感情移入してしまう。
主人公なので当たり前ですかね。
アッシュの抱える孤独と絶望、希望を求めて英二にすがる姿、全ての行動が人間らしく、スーパースターなのにそれだけじゃない、むしろ持って生まれてしまったことが諸悪の根源というある意味持たない方が幸せだったのかもしれないという...
幸せってなんだろうと何度も考えました。

ファンブックでは永遠の自由を手に入れたアッシュの魂が安らかに眠ることを祈ろうというようなことが書いてあったんですけど、やっと自由だと思ったら永遠の眠りですよ?
アッシュは死が怖くないと語っていましたが、しにたいと思ったことはないって言っていたじゃないですか。

生きていても懲役300年…3回生まれ変わっても塀の中。そう思うと英二からの愛に包まれ、幸せな気持ちで逝けたのは良かったのかなと・・・いや、死んでしまうとなにもかも終わりなのでよくはないんですけど・・・・
生きていても結局またアッシュの持つ力に群がる人間に追われていたのかなとか、搾取され統ける人生になったのかなとか、それでも英二と一緒にいたら生きているうちに本当の自由を手に入れることが出来たのかなとか。何が幸せなんでしょうね。

世の中に絶望していたならそりゃもうハッピーエンドだったと思うんです。アッシュにとって。でも世を憎んでいたわけではなかったですよね?火の粉を振り払って生きてきただけで…現に英二という希望を見つけ共に在ったということは絶望はしていなかったのでは?

まだ続きます。また書きます。